あらすじ
──未来都市の片隅、最先端の教育施設「アクアリウム・アカデミー」。
そこは水環境に特化した次世代型学校だった。
校舎は透明な合成ガラスと水晶のように透き通る樹脂で覆われ、いたるところに水槽や小川が流れている。
生徒たちは水の循環システムや生態系の管理を学びつつ、次世代の環境技術者を目指していた。
主人公の少年・ハルカは、この学校の二年生。
一風変わった環境を楽しんでいたが、最近、学校の地下にある「浄水セクション」で不可解な現象が起きているという噂を耳にする。
──水槽の水が勝手に濁り、透明だったはずの水が夜中に黒く見える。
──何かが水の中を漂っている影が見える。
──水の音が不自然に響く、囁くように聞こえるという。
ハルカは最初、気のせいだと思っていた。
だがある夜、部活の遅い帰り道、校内の水路に何か異変を感じて足を止めた。
水面がざわめき、小さな波紋が次々に広がる。
そして、波紋の中心から、人の顔のような形がぼんやりと浮かび上がる。
恐怖で凍りつくハルカ。
「助けて…」
低く、かすれた声が水の中から聞こえた。
それは、水が生きているかのような異様な感覚。
人間の感情を映し出す鏡のように、学校の水が「何か」を伝えようとしていた。
その夜から、ハルカの周囲で不可解な出来事が続く。
教室の水槽の魚が一匹ずつ消え、シャワールームの水が突然冷たく凍りつき、友人たちも次第に怯え始めた。
調査を始めたハルカは、学校の古い記録庫で驚くべき事実を知る。
この校舎の地下にかつてあった「旧浄水施設」では、過去に水質汚染事故で多くの作業員が犠牲になっていたのだ。
事故は隠蔽され、今の校舎建設時に埋められたが、犠牲者たちの魂が「水」の中に閉じ込められてしまったのではないか──
ハルカは、水の中に囚われた「何か」を解き放ち、学校に平穏を取り戻すため、仲間とともに地下深くの浄水施設跡へ向かう。
そこは、生きた水の牢獄だった。
果たして彼らは、封印された恐怖と水の呪いから逃れることができるのか──