あらすじ
ユーライジアと呼ばれる、現代の名残ある摩訶不思議な異世界。
剣と魔法と魔のつく精霊が暮らす広大な学校に通う一人の自称モブ男、マーサー・ヴァーレスト。
入学したその瞬間、魂にまで刻まれるは同年代の同級生たちのあまりにあまりな規格外さであった。
いずれ彼彼女ら卒業した暁には、三千世界を掬い上げる英雄として名を轟かせることだろう。
ならば運良くそんな英雄たちに机を並べることとなったのだから、近金魚のふんのようにくっついて回って甘い汁を吸いたい……じゃなかった、その素晴らしい英雄譚を特等席で眺めていたい。
なんて思い立ちつつ。
楽しく実のある学園生活を送って行く腹積もりであったのに。
ある日ある時、大量の魔物を引き連れた魔王の軍を名乗る者達に広気に過ぎる学校を侵略、占拠されてしまう。
しかしマーサーは、全くもって心配していない……危機感など少しも持ち合わせてはいなかった。
何故ならば、いちファンとして同年代のクラスメイト、友人たちが魔王なる軍を撃退してしまうだろうと信じて疑わなかったからだ。
世界の礎となる宿命を負った少女。
月を冠する神を親に持つ少年。
過去に、愛しい者の手を掴めず、後悔し続けている少年。
少女の心を持ちながら異世界に迷い込む事となった少年。
人の心と、死期をまみえる事に苦悩する少年。
獣の姿で人の懐に入り込む、奔放な少年。
そして……自分の存在を自身で認められない少女。
・
・
・
後の世界最強世代と呼ばれる彼彼女たち、同学年のクラスメイト、友人たちをつぶさに観察し、後世へ伝えていくためにと。
今日も今日とて自称モブ男マーサーは、お得意の『音魔法』を駆使して縦横無尽に駆け巡りデバガメしていくのであった……。