あらすじ

迷宮都市の外れで、老練のレンジャー――ラルフ(33)は、長年率いてきたマスターランク級パーティからの引退を決意した。 かつて僧侶として旅立ち、転職でレンジャーとなった彼は、回復も戦闘もこなす万能中衛として数々の修羅場をくぐってきた。だが近ごろ、わずかな反応の遅れや息切れが気になるようになり、「仲間を庇うより庇われる瞬間」が増えてしまったのだ。 そんな折、ラルフの育った孤児院の院長から一つの頼み事が舞い込む。 ――「冒険者志望の子どもたちを、死なないように鍛えてやってほしい」 まだ旅立てない年齢の子らに、生き延びる術と基礎を叩き込む。それが“引退後の最初で最後の仕事”となるはずだった。 訓練場での指導の日々、ラルフは一人の少女と出会う。 年端もいかぬ9歳の僧侶見習い。体は小さいが、回復呪文の詠唱は正確で、周囲を観察する眼は鋭い。 「……見える子だ」 ラルフは半年で彼女を“独りで致命的な失敗をしない”まで育てると心に決める。 だが、彼の決断は元仲間や旧知の人々を巻き込み、思わぬ波紋を呼ぶ。 特に、かつて結婚を申し込んできた13歳の司教・フィリアは、彼が「もっと年下の女の子を鍛えている」と知り、街中で盛大に勘違いを爆発させるのだった――。 迷宮探索の修羅場で鍛えられたレンジャーが、今度は小さな命と街の未来を守るため訓練場に立つ。 半年の鍛錬を経て、少女は果たして旅立ちにふさわしい冒険者になれるのか? そしてラルフ自身は、本当に前線を去ることができるのか――。 冒険者を引退したはずが訓練場から新人に付きまとわれて困ってるんだが? ここに開幕。

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カクヨム
カクヨム2025/08/09
  • 現在の作品冒険者を引退したはずが訓練場から新人に付きまとわれて困ってるんだが?