あらすじ
ひろとは生きた。
だがしかし、それはとても幸せだったと言うにはあまりにも無責任で軽率であろう。
彼の人生は短くも残酷なものだった。
自ら命を絶つ何日か前、彼は私にこれを託してきた。
「良ければ俺の人生を小説にしてくれ。」とそう言って。
貰った資料を読んだ私は、彼の人生の重荷を一緒に背負わないといけない。
そんな気がした。
「フィクションの中でしかありえないような人生って、本当に存在したんだ。」
そんな感想を抱かずには居られなかった。
彼は誰にも頼れないまま誰にも救われないまま独り孤独に生きた。
そんな彼は何を感じ、何を思い、何を願って死んでいったのか。
それを書くのが、私の仕事であり託された最後の願いだ。
これは、ある男が生きた短くも苦しい1つの人生談だ。