あらすじ
ーー彼を止めなきゃ。そうしないと、絶対に後悔する。
力のない声で、精一杯の拒絶を紡ぐ。
「…こんなトコで……ひどい……」
見下ろすと、胸元で彼の顔がピタリと止まった。
次の瞬間、私の表情を見て驚きが走る。
きっと、男をその気にさせるほど乱れた顔をしてしまっていたのだろう。
ーーしまった。
言い訳を考える間もなく、身体がふわりと宙に浮く。
大きな腕が支え、軽々と抱え上げられた。
その安定感に、場違いなほど感心してしまう。
「悪い!」
その言葉を聞くのは、もう七回目だ。
大股で運ばれ、ソファにそっと降ろされる。
まるで大事な宝物を扱うような、丁寧な手つきで。
ピンチのはずなのに――胸の奥に満たされる、妙な満足感。
顔が近い。
一瞬で、空気が緊張に張り詰める。
まだ乾ききらない髪先。
シャワー上がりの、清潔で温かな香り。
ほのかな湯気が、距離の近さを際立たせる。
「……何度も忠告したよ?」
ーーえ……?
「食べちゃうって……」
耳に落ちた低い声が、肌の奥まで熱く染み渡る。
危ない。わかっているのに――心が萎縮しながらも、逃げ出せない。
突然、これは反則でしょ……。
◾️◾️秘密のアルバイト◾️◾️ (シリーズ5部作)
舞台は新宿みたいな場所。年齢不詳な美女5人が幸せをねじ伏せていく物語。
“誰かじゃなくて、この人”と生きること。
◾️【だってそんなに素敵だとは知らなかったから】
◾️【私がジャイ子ですが、なにか?】
◾️【夢路はほしいのです】
◾️【ホストの蘭】
◾️【私の名前は峰不二子です】