あらすじ
天王寺の裏路地に、看板も出ていない小さなバーがある。
その名は「トキカサネ」。
常連客は、仕事帰りのサラリーマンや、正義を信じる弁護士、舞台に生きる役者――どこにでもいそうで、少しだけ訳ありな人たちだ。
午後11時11分になると、この店の空気がわずかに変わる。
時空がねじれ、「未来の墓場」と名乗る監査官たちがやって来るのだ。
彼らは、人間の感情や記憶を“エラー”として削除しようとする。
父としての後悔、法の裏側での葛藤、舞台に残した魂――
そんな、大切な何かを守るため、カウンター越しに交わされるのは、酒と会話による不思議な勝負。
一杯の酒と、何気ない一言が、未来を少し変えるかもしれない。
ここは、そんな夜が訪れるバー……。
ただし、「お酒は20歳になってから」である。