あらすじ
僕こと水縞 達也(みずしま・たつや/22)は、M市役所に勤務する公務員。向かいの席に座っている叔父の雉子岡 良介(きじおか・りょうすけ/34)ともども、「青少年育成推進部・青少年みらい課」ピカイチのダメ職員だ。
いや、正確には、ふたりしてピカイチのダメ職員を装っている。
僕らのほんとうの仕事は――「招き猫」の保護だ。
「招き猫」とは、ある不思議な現象によって猫が人間の姿になったもののことだ。猫たちは自らの意思で人間になる、大好きな飼い主を幸せにするために。でも「招き猫」になるには、猫神様とよばれるもののところへ赴いて「月なし夜」の約束を交わさねばならない。猫たちにとっては難しいことらしくて、その結果、大量の迷い猫が発生する。
僕たちは、そんな迷い猫を探し出し、保護する任務をひそかに請け負っているのだ。
なぜ僕がこの仕事をしているかというと、誰にも秘密にしているが――、猫のことばがわかるからだ。
理由はもうひとつ。それは僕が、昔からずっと叔父のことが好きだから。これも誰にも、叔父にも内緒。
招き猫はみんな素直でかわいい。彼らはひたむきに、飼い主のことを思っている。人づきあいがあまり得意でない僕にとって、彼らとのつかの間の交流は癒しでもあった。僕は彼らが飼い主の元へ帰れるように、心から祈る。
* * *
猫のことばがわかる新人公務員・達也と、彼がひそかに思いを寄せる叔父・良介の、年の差ほんのりボーイズラブです。秘密の「猫探し」の仕事をとおしてつのっていく達也の恋心、それはかなうのか。どうぞお付き合いください。
10万字ほどの物語になる予定です。応援していただけたら嬉しいです(*・∀・*)ノシ