あらすじ
この世界は、神々によって創られ、神々によって統治されている。
その名も、「理想郷《ユートピア》」。
人々は神々を絶対の存在として崇め、その加護《カゴ》のもと、平和な暮らしを享受している。
──表向きは、そういうことになっている。
だが、その裏では、神々による厳格な秩序が敷かれていた。
一度でも定められた理《ことわり》から外れれば、その者は容赦なく“排除”される。
与えられる「加護」は、人々の暮らしを豊かにするもの──でありながら、同時に神への従属を強いる“鎖”でもあるのだ。
神々には、それぞれが司る概念があり、頂点には「高位神《コウイシン》」、その下に「下級神《カキュウシン》」が存在する。
高位神たちは互いに勢力争いをしながらも、人間の管理という一点においては一致団結していた。
そして、彼らの力の源となるのは──人間から捧げられる、純粋な「信仰心」。
それが、「神力《シンリョク》」となって神々を満たしていく。
つまりこの世界では、祈ることこそが生きることだった。
……もっとも、俺みたいな奴には、そんなの無縁な話だけどな。