あらすじ
「山縣さあは、そもそも男ん相手ばしたこつあっがじゃろか」
明治初期兵部省に身を置く西郷慎吾(従道)は、上官の仏頂面を思い浮かべながら、今日も従兄で親友の大山弥助(巌)相手に愚痴をこぼす。毎回毎回押しかけられる大山がたまりかねて有朋の古なじみ、大蔵省高官の井上馨に相談したことで、兵部省には春の大嵐が吹き荒れるのだった。
兵部省の長で小輔の山縣有朋と、その部下で大丞の西郷従道のドタバタBL恋愛劇。告白編「恋は大騒ぎ」に続くお初編です。BL性描写が入りますので、閲覧注意下さい。
【主な登場人物】
山縣有朋 :長州(山口)出身。元奇兵隊軍監。兵部小輔として草創期兵部省を束ねる仕事の鬼。三十四歳。
西郷慎吾 :薩摩(鹿児島)出身。西郷隆盛の十四歳年少の実弟。兵部省では大丞として有朋の部下を務める。従道と名乗る。二十九歳。
大山弥助 :薩摩出身。西郷兄弟には従兄弟に当たる。慎吾と同じく兵部大丞。巌と名乗る。三十歳。
井上馨 :長州出身で山縣の古なじみ。大蔵小輔を務める。三十六歳。