あらすじ
いつも自分を甘やかしてくれる親友の声は、かすかに錆を含んでいる。今まで伊藤が聞いたことのないような太い重みに、どきっと鼓動が乱れた。
「年上じゃからちゅうて、わしがいつもいつもおめえに甘い顔しちょると思うなよ」
「え―――」
問い返そうとするのも聞かず、井上の指が侵入してきた。伊藤は「んんっ」と声を飲み込む。
「所詮、六年前にはおめえと同じ年じゃったんじゃけえにの」
『楽園』でめでたく結ばれた(笑)二人だが、帰国後の長州は動乱のまっただ中にあった。井上は主張の違いから藩士たちから闇討ちに遭って瀕死の重傷を負い、そのまま幽閉されるが、高杉晋作による「功山寺決起」の際に助け出される。高杉は井上を「真の知己」と呼んでいた―――
性描写あり。時代設定は重いですが、まあ結局は御神酒徳利のいちゃいちゃ話なので、気楽にどうぞ。『楽園』は俊x聞ですがこちらは聞x俊です」。