あらすじ
彼の命は、あと一年――
魔王を討った勇者・テオドリックは、呪いに蝕まれていた。
やがて、彼は皇帝として即位する。
しかし、その玉座に座る彼の瞳は、誰も映していなかった。
そんな彼の後宮に、最下級の妃として迎えられた女がいる。
……その正体は、「裏切りの魔女」と呼ばれた元仲間、ミルディナ。
偽りの名を使い、彼に近づいた彼女の目的は、ただひとつ。
失われた「聖剣の鞘」を探し出し、彼を救うこと――
正体が露見すれば、即・処刑。
それでも、彼女は命を懸けて彼のそばにいた。
「君は……誰なんだ?」
「……ただの妃です」
愛しすぎたゆえに、壊れていく勇者と。
償うことすら許されない、魔女。
偽りと執着が交錯する後宮で取り戻せなかった恋が、もう一度、動き出す。