あらすじ
ポニテだった、ときどき橋の上ですれ違う女子高生と久しぶりに遇った。散歩中のひととき、今は東京の大学に通い、一人暮らしをしていると聞く。
もう60年以上も経つのだろうか、生まれながらの心臓に病を持ち、短命との診断を受け卒業までは・・・と言われていた。生きた証が、生きる楽しさを感じてもらいたいと、両親は入院生活よりも高校進学を選んでくれた。16歳の歳から寿命と言われていた二十歳まで、特に高校時代の出逢いと様々な経験は、諦めていた自身の寿命という、重く荒寥とした世界から解き放たれた。大人へと身体も心も急激に変化し、悩み苦しみ、自身への問が常に心の淵源を覗かせ、それが持病の克服へと繋がったようだ。
支えてくれた人達、長いポニテの先輩や大人の世界へと導いてくれた人、一時も離れたくないほど恋しく思った人達。みな向こうの世界に逝ってしまい、短命と言われていた僕だけが未だに生き残っている。一人暮らしになり、動けなくなり、自由に外にも出られない。周りからは何も考えてない、感情を失った痴呆老人に見えるだろう。でもあの頃の出来事は今でも鮮明に思い出す、匂いも感触さえも・・・。ポツリポツリと思い出すままに書いてみることにする。自分と語るために。