あらすじ
六月の放課後、プール掃除中に“私”は水底で黒い影を見た。
それは人の形をしていて、ゆっくりと顔を向けた――そう感じた瞬間から、眠れない夜が始まる。
翌日、現れたのは三年生の天城先輩。「それ、見えちゃったんだ」と言う彼は、祓い屋と呼ばれていた。
先輩は鈴を渡し、「後をつけられるから気をつけろ」と忠告する。
だが二度目の掃除の日、先輩の祓いによって影は消えた……はずだった。
翌朝、返したはずの鈴が枕元に戻ってきていた。冷たく湿った鈴は、水の匂いを漂わせていた。
そして通学路――背後に濡れた髪の女、そして先輩が笑って立っていた。
もう、逃げられない。