あらすじ
14世紀、南フランスの城塞都市アイガ・モルタス(現エーグ・モルト)。
高い壁に囲まれた都市は、太陽を避ける吸血鬼が隠れ潜むには最適な場所であった。
吸血鬼エリザベートは正体を隠し、床屋として暮らしている。
この時代の床屋は外科医を兼ねており、「血を抜けば病気が治る」と信じられているため、エリザベートは白昼堂々と合法的に他者の血を手に入れることができた。
エリザベートは平穏に暮らしていたが、いつからか都市内に不穏な空気が流れ始める。
城壁外のすぐ近くでオオカミが目撃され人々は外での行動が制限されるようになり、隣の領地では悪魔憑き騒動が起き……。
さらに、床屋職人が、彼女の持つ建物や親方の職位に嫉妬し、嫌がらせをエスカレートさせてくる。
太陽がちょっと苦手。たま~に、血を少し飲むだけで十分。そんな吸血鬼のエリザベートは、果たして平穏に生きていけるのでしょうか。
◆ 本作は下記作品のリニューアル版です。
1310年南フランス城塞都市の理髪外科医と悪魔憑き ~同業者からの嫌がらせになんか屈しない! 私は「理髪外科医」兼「公証人」でラテン語だって話せるんだから~
https://kakuyomu.jp/works/16817330661766052065
◆ 主な変更点
エリザベートが吸血鬼であることを、冒頭で読者に公開しています。
全体的にライト文芸よりに微調整。
◆
本作はフィクションです。
「当時、正しいと信じられていたこと」は、たとえ現代では否定されていたとしても、本作では事実として描写しています。
十四世紀当時のフランスの文化や価値観を調べて執筆していますが、意図的に嘘を書いている部分があります。
エリザベートが口にする慣用表現や、言語に関するネタです。
作中の舞台は、南フランスで、オック語を話しています。現代のフランス語とは別の言語です。
本作では作中に、フランス語の慣用表現を翻訳したものをいくつか入れていますが「当時のフランスにそういう言い回しがあったかは不明」です。
時代背景や文化的に、言っていてもおかしくないものを使っています。
例:噂をすれば尾 / 狼の噂話をしていると、本当に現れるという意味