あらすじ

かつて都市開発の最前線で働き、部下や同僚の前で見栄を張り続けた男景司。会社を辞めた後もプライドだけは捨てられず、再就職の場でも虚勢を張り、次第に生活は困窮していく。ホームレス寸前、かつての同僚や友人たちが彼を支えにやって来た。「助けてほしい」とは言っていないのに、皆が手を差し伸べてくれる。景司は心の奥にあった「誰かに必要とされたい」という感情を見つめ直し、再び現場の力仕事に身を投じる。倉庫での肉体労働の中で、再び生きる手応えを感じ始めた景司は、やがて自分の体験を語るようになる。引きこもり、失業、挫折……さまざまな悩みを抱える人々が、彼のもとに集まるようになった。誰かの役に立てたとき、初めて「生きていてよかった」と思えた。そんなある日、絶縁状態だった息子から「結婚式に来てほしい」との連絡が届く。父として、男として、見栄を脱ぎ捨てて歩んだ末の再生が、景司を最後に報いてくれた。

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エブリスタ2025/08/08
  • 現在の作品景司、世をわたる