あらすじ
会社帰りに事故死したサラリーマンが目を覚ますと、そこは異世界の辺境村。
……しかも、自分の姿は村の中央にある「古井戸」だった。
手足も声もない。動けるのは意識だけ。
それでも村人たちは、澄んだ水を湛えるその井戸を「守り井戸の精」と呼び、信仰している。
与えられた転生特典は、水質浄化の力と——願いを一つ叶える力。
しかし村は深刻な干ばつに襲われ、井戸の水も日に日に減っていく。
さらに山間からは魔物の群れが迫り、滅びは目前に。
動けない“井戸”のまま、村と自分の存在を守るため、彼は水底で知恵と力を巡らせる。
これは、不動の井戸となった男が、辺境の村を救う物語。
——動けないなら、世界を“引き寄せれば”いい。