あらすじ
魔力を持たなかった魔法族の娘×天狐の血を引く半妖の若君。二人の契約から始まる初心恋♡
異端同士が結ぶ契約結婚の果てに待つのは奇跡とじれ恋――?
1911年初夏――。
魔法族の家系に生まれながら、魔力に恵まれなかった少女・オルキデアは、悪意によって東洋の島国を彷徨っていた。
本来はパティシエとして、この国の大きなホテルからお声が掛かり、腕を振るうため、わざわざやってきたはずなのに。
だが、すべては魔力なしの役立たずを追い出したい同僚たちの罠であり、お声掛けは嘘だった。
周囲の人々は異邦人を遠巻きに見つめ、遂には子供たちから石を投げられてしまう。
するとそんな彼女の前に一人の青年が現れる。
あてもなく彷徨い、子供たちにいじめられている異邦人を哀れに思ったのだろう。
外之原 璃玖(とのはら りく)と名乗った青年は、オルキデアから事情を聞き、ひとつの提案を持ちかける。
それは、国に帰れるだけのお金を出す代わりに、約一年、専属パティシエ兼妻として、傍にいて欲しいという契約だった。
華族の長男である彼は、ある毒に犯されており、余命は約一年。
その間、夢だったカフェーを開き、誰かと共に普通の人生を生きたいと願っていたのだ。
話を聞いたオルキデアはこの国で「蘭」と名乗り、その仕事を受け入れる。
気立ての良い璃玖だが、どうやら彼が毒を受けたのには理由があるのようで――?
カフェー×甘味×あやかしで贈る、じれじれ恋愛譚。