あらすじ
現実に背を向け、
玉依 澪は、ただ一つのゲームに人生を捧げていた。
──PCゲーム『ブラックティアラ』。
それだけが、彼女の世界のすべてだった。
誰とも関わらず、部屋にこもり、何千時間も同じ物語を繰り返す。
全ルートを踏破し、すべての結末を見届けたその夜──
彼女は階段を転げ落ち──そして目を覚ました。
そこは、ゲームの世界だった。
澪が目を開いたのは──
主人公の敵、悪役令嬢リリカ・ノクスフォードの身体の中。
すべてのルートで破滅を迎え、
その果てにすら存在しなかった、物語の“その後”。
目を覚ましたのは、打ち捨てられた馬小屋。
繕いだらけのドレスと、一通の遺書。
栄華を誇った王妹サクナヒメの流れを汲む名門・ノクスフォード家は没落し、
「悪の軍団」と恐れられた仲間たちもバラバラに。
これは、ゲームのどこにも描かれていなかった、全てを失った後の世界。
これはただの転生ではない。
リリカが絶望の淵で自ら命を絶とうとした、その刹那。
「……まだ、終わりたくなかった」
囁いたのは、彼女自身か、それとも──。
澪は再び歩き始める。
崩れた家を再建し、仲間を探し、
プレイヤーとしての知識を武器に、運命へと挑む。
人生の果てから、少女はもう一度選びなおす。
たった一人だけが知る、真の物語のはじまり。
──リスタート・ファンタジー、開幕。