あらすじ

松永景司、25歳。四国野口町の小さな建材会社に勤める青年。 貧しいながらも地道に働き、静かな日々を送っていた彼は、ある夜、友人の紹介で訪れたファミリーレストランでマルチ商法の勧誘を受ける。金がないゆえに参加を断った景司は、その経験を通じて「貧しさが守ってくれるもの」に気づく。 やがて、図書館で出会った元マルチ経験者との交流、職場の後輩との関係、地域の朗読会への参加を通じて、景司は「語ること」「聞くこと」の力を知り、若者たちの声に耳を傾けるようになる。 彼の誠実な姿勢は町の人々の心を動かし、「綱の会」と呼ばれる語りの場が生まれる。名誉を得てもなお、景司は変わらず綱の上を歩き続ける。そして、町を離れる決断を経て、綱を次の世代へと渡していく。 これは、名もなき青年が灯した小さな火が、静かに広がっていく物語。 綱の上を歩くすべての人へ贈る、静かな希望の記録。

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エブリスタ2025/08/08
  • 現在の作品綱渡りの灯 景司とマルチ