あらすじ
秋月琴子は昔好きだった久原育馬が亡くなったことを知る。葬式に出た際に彼の父親から彼は真夜中のオホーツク海で自ら命を絶ったと聞き、彼を忘れられない琴子は「夢から醒めるため」に育馬の軌跡を辿る旅に出る。育馬の残した「旅ノート」を彼の父親に貸してもらい、それを頼りに夏の北海道へ向かう琴子。育馬がしたと言うヒッチハイクに挑戦し、小樽から稚内、稚内から網走までを回る。旅先で様々な出会いと別れを経験し、琴子は育馬への想いと向き合う。五日目の夕方、最終目的地である根室の納沙布岬に到着した琴子はこの場所で命を絶った育馬に思いを馳せる。旅を終え家に帰った琴子はある可能性に気づく。それは、育馬は真夜中の岬で自ら命を絶ったのではなく日の出を見ようとして誤って海に落ちたのではないか、ということだった。事実は変わらないが琴子はその可能性に希望を見出し、自分の心を慰めていく。