あらすじ
「……えー、最後に皆さんへ、もう一度申し上げます。……私はアルコール依存症者です。自己肯定感が低く、お酒に頼らなければ生きていけなかった……。でもね、アルコールからの完全な脱却は可能なんです。まっすぐ、正直に生きること。人生をあきらめないこと。自分を少しずつ好きになっていくこと。それさえできれば、お酒に頼る必要なんてなくなるんです。自分の未来は変えられます。私はこれからもこの活動を通じて、依存症に対する偏見をなくし、社会に理解を広げていきたいと思います。どうも、ありがとうございました」
客席から大きな拍手が湧き起こった。川尻はその音に包まれながら、じんわり目元を潤ませ、深々と頭を下げた。