あらすじ
紬(つむぎ)は小さな町にある朽ちかけた“忘却図書館”の若き女司書。ここに収められた本は、ただの紙ではなく、人の記憶や社会の断片を物理的に保管する“世界の縫い目”だった。破れた頁を繕えば、誰かの大切な一日が戻る――しかし、近頃「頁の欠落」が意図的に増え、記憶の喪失は個人の再起不能や国の歴史改変を引き起こす。紬は修繕を通じて町の人々の小さな奇跡を紡ぎ、やがて“忘却を播く者”の存在を嗅ぎ当てる。そこに絡むのは、失われかけた王家の跡継ぎ、記憶を鑑定する冷静な調査官、そして紬自身の“なぜ自分だけが図書館を継いだのか”という謎。1話完結型の修繕案件と並行して、少しずつ明かされる大きな真相――それは世界の記憶を“再定義”しようとする勢力の存在だった。紬は職人として、読み手として、そして選択する女性として成長し、恋を知り、世界を救う決断をする。