あらすじ
カクヨム恋愛小説大賞【ナツガタリ'25】(涙が止まらない。アオハルな恋)
青い瞳に亜麻色の髪。
黒髪黒瞳の両親から産まれた隔世遺伝。
華道の家に生まれた異色の子。
この色のせいで遺伝子鑑定まで発展する親族トラブルが起こり、両親が親族との縁を絶った。
神岸真白はそんな幼少期の体験から、自分がわからず主体性が持てなかった。
行動はAIの指示任せ。
いい子として最適化された生活を送っていた。
幸い両親と三歳年下の妹との家族関係は良好。
幼馴染の親友もいる。
感情の機微に疎く、恋愛感情も理解できない。
親友からは容姿と能力以外が残念だからと『ロボ子』と呼ばれている。
割と気に入っている。
そんなロボ子は中学生のときにとある死病に執着した。
『灰花病』
後天性アルビノ症候群。
全身の色素を失い、太陽光が浴びれなくなり、発症から一年で死に至る。
治療法はない。
色がコンプレックスのロボ子さんには理想の死に方に思えたのだ。
流石にこのままではダメ。
自分を変えようと一念発起して、高校進学を機に家族や親友の元から離れた一人暮らしを始めることなった。
新生活の始まり。
AIから『命短し恋せよ乙女』との命令を受けて、マッチングアプリに登録したロボ子さんは、本来マッチングするはずのない余命一年の男性とマッチングする。
佐久間虹陽。
同じ高校の三年生で先輩。
灰花病発症。
運命を感じてしまった。
実際に会うことになり意気投合。
ロボ子と虹陽は一年未満恋人契約を交わした。
ロボ子は虹陽に恋していない。
恋愛感情を理解できないからこれは悲恋ではない。
ロボ子はそう言い聞かせながら交際を続けた。
だがクリスマスの日。
「本当の君の声を聞かせて」
と聞かれて
「貴方との永遠が欲しかった」
と吐露してしまう。
それから二ヶ月後、虹陽は死んだ。
ロボ子さんは泣かない。
悲恋ではないから。
お葬式で最期のお別れ。
棺に花を添える手は動かなくて、別れの言葉も出なくて、ただクシャリと心が潰れた。
神岸真白はロボ子さんを卒業した。