あらすじ
連続婦女暴行殺人犯・ブラッディフールとして公務執行妨害で逮捕された美少年は、自らを『ベガ星人』と名乗った。取り調べ中も美少年はヘラヘラと笑いながら左右に揺れていた。他人を小バカにした態度は取調官をイラつかせた。だが憎らしいほど美しい少年は連続婦女暴行殺人犯には見えない。ただ三件の事件の犯行現場の防犯カメラには野次馬に混ざって美少年の姿が映っていた。しかもひとりニッコリと微笑んでいる。まさにその姿は『笑う宇宙人』そのものだ。逮捕後、いくら調べても美少年の身元は判明しない。だが美少年の所持品の中にタロットの『愚者のカード』があった。シリアルキラー・ブラッディフールが犯行現場に置いていったタロットカードと同タイプのカードだ。さらに一千万円もの大金を所持していたため疑われた。接見に訪れた国選弁護人の織田シンゴの前でも同様の態度を取り反省の色が見えない。このままでは明らかに心証が悪い。シンゴたちは再三、真面目な態度を取るように注意するが効果はまるでなかった。容疑者の美少年の身元は一切わからず、動機も不明だった。逮捕から連日、ブラッディフールの事件は報道されているが美少年の身元に関する情報は乏しい。ガセネタばかりだ。
ベガ星人を名乗る美少年が逮捕されたのは三件目の犠牲者が出た時だ。胸から出血している女性の胸に手をかざしている所を現行犯逮捕された。被疑者の美少年は当初、傷を治していたと主張した。手をかざしてパワーを送ることで傷を治せると言うのだ。弁護士のシンゴも接見をするうちに美少年は本気で被害者を救おうとしていたのではないかと思い始めた。やがて、被害者の美少年の身元に関する情報が寄せられた。小学生の時の同級生の女性だ。彼女の話では幼少期、あまりにも勉強が出来て小学校でイジメに遭い、引き籠もりになったらしい。その子の名前は『曾我部聖人』ではないかと言うのだ。曾我部は、かつて『ベガ星人』と言うニックネームを着けられ学校でイジメを受けていた。さらに曽我部タカヒトはシンゴに『メサイアゲーム』を持ちかけた。いったいメサイアゲームとは何なのか。