あらすじ
生家がなくなり、九年が経った。はやいなと、凪裟《ナギサ》は思う。
二十歳になった。本来なら、もう結婚をして子どももいただろうかと、あったであろう未来を想像する。
だけど、それは幸せだっただろうか──そう思ってしまうのは、絶賛片想い中だからだ。
日付の変わる深夜零時、凪裟はその片想いの相手を呼び出していた。来るかはわからない。返事を聞かずにメモだけ渡して逃げるように走り去った。
コツコツとちいさな足音が聞こえ、凪裟は背筋を伸ばす。
「あ……」
近づいてくる姿は、間違いなく彼だ。
「こんな時間に、こんな場所で……どうしたの?」
※「女神回収プログラム」https://estar.jp/novels/25508583486の登場人物の告白シーンとその返事のシーンを書いた番外編です。
※別サイトの企画にて3000文字以内で書き下ろした短編です。登場人物の外見については本編を見て頂けたら幸いです。(この短編に登場する人物は、【3】影武者 までに登場します。会話中に名前が出る姫に関しては【4】姫 で登場します)