あらすじ
由緒ある伯爵家の令嬢アンジュ・ジェラルディは、両親の死後、弟のリアムとともにマールベロー公爵家の庇護を受けていた。
公爵家の一人娘セシル・マールベロー。
まだ九歳ながら飛びぬけた美しさと知性、そして王太子の婚約者候補筆頭。
申し分のない彼女をおとしめようとする者は家の内外を問わずはびこり、そのせいで世間の彼女の評判は芳しくない。唯一の肉親である父の公爵さえ彼女に冷たく、セシルは孤立無援の境遇にあった。
そんな彼女の元で姉のアンジュは侍女として、弟のリアムは護衛騎士として研鑽を積む。
そんなある日、公爵の突然死。
アンジュに当てられた公爵の遺言状には驚愕の内容が記されていた。
この世界が王家の秘術によって時間が巻き戻り二度目であること。
前の時間軸では、セシルは婚約者である王太子に冤罪をかけられ、それをかばったリアムもまた無残な死を迎えること。
そしてアンジュ自身、敵の術にかかりセシルの罪を問うための『証言者』として利用されたことを。
公爵は術の発動の中心となった存在として『ジェイド』なる人物を示唆し、いずれ彼の方から接触を図るだろうとアンジュに書き残した。
『ジェイド』とは何者なのか?
なぜセシルのために自らが贄となって時間を巻き戻したのか?
そして公爵の遺言に基づき、セシルには三人の婚約者候補が用意される。
彼らは前の時間軸において、一人は敵、もう一人は彼女のために命を落とした騎士。そして、最後の一人は前の時間軸では面識すらなかったが、彼女を助けるためにやって来た魂の依り代。
様々な謎が残りつつもアンジュは新たな時間軸で大切な人たちが幸せになれる道を模索する。