あらすじ
西野桜和(はるか/27歳/受)は最近、阿部冴弦(ひづる/31歳/攻)を避けていた。
気持ちは変わらず冴弦を好きで、キスもしていて、肌も重ねている。それでも避けていた。――否、避けざるを得なかった。
所属している市内のアマチュア吹奏楽団のメンバーに、こっそり友チョコを作り、渡そうという企画があるのだが、桜和もそれに参加しているからだ。
さらにその裏側で、桜和は冴弦に本命チョコを渡そうと思い立ち、フォンダンショコラ作りの特訓という秘密裏のクエストを自分自身に課した。
しかし、練習すれど練習すれど、出来上がるのは炭、岩、物体X……のようなフォンダンショコラ。それをかじりながら首を傾げる日々の桜和。
普段、素直になれないだけに、今年のバレンタインは気持ちを形にして、冴弦に想いを渡したい。冴弦の喜ぶ顔が見たい。〝冴弦のためなら普段自炊しない俺でもこれくらいできる〟――そう強く思ったから諦めたくない。
だがしかし。
冴弦も桜和が避けていることに気づいていないはずがなく、冴弦の中の懐疑的な気持ちは日に日に膨らんでいるようで――。
冴弦が寂しそうな顔をしているなんて本末転倒である。
そこで桜和は、冴弦を呼び出して話をしようと思ったのだが……。
甘やかし系溺愛攻・冴弦×漢気系べっぴん受・桜和の、甘さとほろ苦さが絡まるバレンタイン物語をお楽しみください。