あらすじ
その魔女は、人の記憶を奪い、それを菓子に変える。
忘れたい恋、消したい罪、戻らぬ家族の面影。
依頼人の願いを聞き入れ、魔女は記憶を瓶に詰めていく。
けれど奇妙なことに——
依頼が終わったとき、依頼人は彼女のことを忘れてしまう。
そればかりか、魔女自身も、一日が終わると出会った相手を忘れてしまう。
そして今日もひとつ、誰かの記憶が甘く光る菓子へと変わる。
これは、記憶を失った“忘却の魔女”と、
喋る黒猫の相棒が紡ぐ、「記憶」と「感情」の連作短編集。
少し切なくて、どこか優しい。
心を失くした少女が、もう一度、自分自身を取り戻すまでの物語。