あらすじ
昭和十七年。玖珂(くが)伯爵家嫡男の一弥(いちや)は乳兄弟の剛実(たけみ)と深く想い合っていたが、身分の差や許嫁がいることから、その想いを悟られないよう押し隠し続けていた。
だがある日、剛実に別邸に拉致監禁され、媚薬を盛られてしまう。彼には召集令状が届いており、戦地にて命を散らす前に一度でも想いを遂げたいと思い詰めての行動だった。「すべて俺のせいにしてください」「今だけは俺に狂ってください」と熱く囁かれ、夜明けがくるまで抱き潰される。
時は流れ終戦後、昭和二十二年。華族制度は崩壊し、一弥は翻訳の仕事をしつつ妻や親族と共にひっそりと暮らしていた。そこに復員してきた剛実が帰って来、……。