あらすじ
文明の臨界期を超え、緩やかにテクノロジーが衰退している時代。
まだ存続している宇宙コロニーでは、コロニーに隔離されている「人外奇形」達によって、食品加工プラントが運営されていた。
人間の入植した様々な星から、「人間ではない」とされてコロニーに隔離された者達は、奇形を治す外科手術を受けて、地上に降りる許可を得る事を夢見る。
他のコロニー生活者達より、少し派手な「人外奇形」を持っている青年ジニアも、手術を受けて奇形を治し、地上に行く事を夢見る一人である。
先に手術を受けた同僚達は、「人間のあるべき姿」として学習してきた美しい姿になり、地上での仕事を得る事や貿易船に乗る事を目標にしている。
子供の頃からプラントで働き始め、十年以上を経過してから、ジニアは手術費用を貯蓄できた。
ジニアはやがて訪れるであろう、「希望に満ちた地上」への夢を叶えようと、手術を受ける。
一方、地上では、細々と伝えられてきた「手で絵を描く技術」を駆使し、一人の女性が華々しい経歴を刻んでいた。
その女性を幼い頃に引き取り、育ててきた家庭には、家主のアリスと、その家主をパートナーとするアガサ、そしてアリスの子供であるアモンと言う娘がいた。
画家として活動する女性に、執着心と憧れのような心を抱くアモンの心は、成長と共に歪んで行く。
夢に見た世界に到達するために、彼等は歩みを止める事は出来なかった。
やがて目の前に広がる、彼等の憧れた世界とは――。