あらすじ
『中川ゆらと科学部の36か月』
――わたしを変えたのは、たぶん、科学と、あなたたち。
人付き合いがちょっと苦手で、自分の声をうまく出せない高校一年生・中川ゆら。そんな彼女が、ひょんなきっかけで足を踏み入れたのは、小さな部室にひっそりと活動する「科学部」だった。
観察ノートに記す虫の名前、ビーカー越しに見える先輩の横顔、ふいに届いた「今夜、星を見に来ない?」のメッセージ。
ぎこちなくて、ちょっと恥ずかしい。でも、たしかに心が動いた瞬間たち。
気づけばゆらのノートには、化学式のように複雑で、でも確かに温かい“想い”が少しずつ書き加えられていく。
春夏秋冬、そしてまた春へ。
36か月の小さな積み重ねのなかで、ゆらは仲間と出会い、ぶつかり、そして自分を好きになっていく。
これは、「変わりたい」と願った一人の少女と、科学部という居場所の、やさしくてまぶしい成長記録。
卒業の日、彼女は空を見上げて、そっと笑った。
「科学が、わたしを変えてくれたんだ」