あらすじ
パーティーの最中、婚約者である王太子に無実の罪を突きつけられ、婚約破棄を言い渡された公爵令嬢ファニー。彼女は可愛らしくほんわかとした雰囲気で、ふわふわな喋り方と可憐な笑顔が親しみやすい令嬢だ。しかし、婚約破棄を受け入れ、罪の事実を淡々と否定して去るファニーの姿は、いつもの彼女とはまるで別人だった。
……そう。ファニーの喋り方や態度は、彼女が作り上げた虚像、全て演技だったのだ。本当の彼女は、ほんわかとした雰囲気でも、可憐でもない。聡明な彼女が作った仮面は、今日まで自分に関わる全ての人間を欺いてきたのだった。
一方、王太子が新たな相手だと宣言したのは、なんとファニーの実の妹のアンナ。しかも、アンナにも本来の婚約者である柔和な商人の男・エドワールがおり、彼もまた驚愕と憤怒の色を浮かべていた。
——これは、婚約者に裏切られた二人の男女が、己の能力とプライドの全てを賭けて裏切者たちを蹴落とす、性悪な復讐譚である。