あらすじ

同じ会社に勤めていながら、顔を合わせることもなかったふたりの女性―― 事務部でひっそりと働く白川若葉と、社内でも名を知られる凛とした上司・黒川若菜。 日常の交差点では交わることのなかったふたりが、ある日偶然に目を合わせる。 けれどその時、ふたりはまだ知らなかった。 自分たちが、もうすでに“別の名前”で出会っていたことを――。 ネットの中で「茅ヶ崎渚」として活動する若葉は、小説投稿サイトで憧れの作家「結衣と姉 希望の王」に出会う。 彼女の書く物語に心を揺さぶられ、勇気を出して送った一通のダイレクトメッセージ。 それがきっかけで始まった、名前も顔も知らない“渚”と“ベルおねーちゃん”の文通のような関係。 現実の世界では、少しずつ距離を縮めていく若菜と若葉。 仕事の合間に交わす短い会話、何気ないランチのひととき。 そしてネットの世界では、小説という架空の場所を通して、深く強く繋がっていく“渚”と“ベルおねーちゃん”。 同じ人だと気づいてしまった若菜は、その事実を伝えるべきか悩みながらも、ふたつの世界で育まれる友情と信頼に、静かに心を揺らしていく。 この想いを、どの言葉で伝えればいいのか―― 現実の自分と、小説の中の自分。 本当の「わたし」はどこにいるのか。 誰かと心を通わせることのあたたかさと、ほんの少しの切なさを抱えながら、若菜は最後の一歩を踏み出そうとしていた。 これは、ふたりの女性が“物語の中”と“日常の中”で静かに出会い、 少しずつ、確かに、お互いを大切に想い始めていく物語。

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小説を読もう2025/07/28
  • 現在の作品「2025 春 小説の中でだけ、あなたと私は出会った」