あらすじ
「いらっしゃいませ」
店の扉を開けると、抑揚のない女性の声が出迎えた。
からんと鳴る鈴の音に誘われるように僕はおそるおそる中へ入る。
店内は入口から奥へと一本の通路が真っ直ぐに伸びているだけのシンプルな造りだった。外観よりも内部は奥行きがあるように見える。
他に客もおらず静かだ。通路の突き当たった場所にはレジがあり、エプロンを着けた女性店員が立っている。
通路の両脇の壁は本棚で埋め尽くされており、天井は本棚で支えられているかのようだった。窓すらない。棚には同じ色、同じ大きさの本がずらりと並べられている。
こんな山奥に本屋があるなんて。