あらすじ
都会暮らしの青年・景司は、ブランド品、ガジェット、外食、そしてリボ払いにまみれた浪費人生を送っていた。気づけば借金は膨れ上がり、破産寸前。ある晩、満員電車の窓から吹き込んだ風に郷里の匂いを感じた景司は、突然すべてを捨てて田舎に戻ることを決意する。
村の人々は最初こそ警戒したが、素朴な景司の人柄に心を開き始め、景司自身も少しずつ農作業や物々交換、干し野菜づくりに喜びを見出してゆく。
かつての浪費癖を笑い話にする飲み仲間たち、そして無駄遣いの中で一度だけ真剣に愛した女性・咲良との再会も、景司の心に確かな再生の芽をもたらした。
「無駄な経験など一つもなかった」と胸を張る景司の姿に、村の風も優しく吹き渡る。人生を遠回りした男の、豊かさとは何かを問い直す再生の物語。