あらすじ
「鈴香、別れて」
三十歳の誕生日前日、高級ホテルのラウンジで待つ冬野鈴香の前に現れたのは、若い女を連れた彼氏だった。一方的に別れを告げられ、失意の中、雨に打たれ、あてもなく歩く鈴香は、冴えない男とぶつかり転ぶ。ずぶ濡れになり地面へと座り込む鈴香に、差し出された優しい手。縋るように、男の手をとった鈴香は、誘われるまま、彼のバイト先だというBARへと向かった。
お互いの失恋話を話す内に、意気投合した二人は、酔った勢いで一夜を共にする。童貞だと言う男の弱みにつけ込み、十年連れ添った彼を忘れるためだけに、身体を重ねる鈴香。名前も知らない彼とは、もう会うことはない。一夜のアバンチュールのつもりだった。しかし、春となり、思いもよらない再会を鈴香は果たす。
鈴香の務める製薬会社の営業に配属された新人『橘真紘』。営業補佐として働く鈴香の元に挨拶へ来た橘を見た時、一夜を共にした冴えない男の姿が、鈴香の脳裏をよぎる。目の前で笑みを浮かべる国宝級イケメン『橘真紘』とは、似ても似つかない。それなのに感じる既視感。その理由を、鈴香はすぐに知ることになる。冴えない男こそ、橘真紘だったのだ。
「冬野先輩、俺が陰キャの童貞だって信じてたの?」
仲間と賭けをしていたと、あの夜の真実を話す橘に、怒りを露わにする鈴香。しかし、橘から事後の写メを見せられ脅迫される。
「彼女になってよ、鈴香先輩。俺の自尊心を満たす彼女に」
脅迫に負けた鈴香は、橘と恋人契約を交わす。気まぐれな橘に弄ばれ、振り回される日々が始まる。
果たして、鈴香は、自分をだまし、弄んだ男、橘に心を開くのか?それとも____
振り回し系、羊の皮を被った年下男子× 徐々に恋を自覚する、意地っ張り年上女子のジレ恋。
はじまり、はじまり。