あらすじ

世界が“平和”を手に入れたのは、全てを焼き払った後だった。 1936年に始まった第二次世界大戦は、史実とは異なる結末を迎えた。ナチス・ドイツはヨーロッパを制し、ソ連は崩壊。アメリカすら、核によって沈黙させられた。こうして世界は三つの帝国――ナチス・ドイツ、大日本帝国、そして敗戦国でありながらも世界随一の経済力を残したアメリカによって分割統治される。 それは冷たく、歪んだ“新秩序”の始まりだった。 舞台は、枢軸の影が深く落ちた極東ロシア。 旧ソ連の瓦礫の中で生まれ育ったセルゲイ・スモレンスキーは、戦争で家族を失い、軍閥に拾われて兵士として育つ。飢えと暴力、裏切りと憎悪が支配する無政府地帯で、“生き延びること”だけが彼の人生だった。 だが、年若い兵士となった彼の心に、ある時芽生える問い―― 「普通に生きていきたい」 全てを拒絶するように、彼は雪原を旅立つ。目指すのは、かつての敵国・日本が管理するウラジオストク。都市機能が保たれ、食料も行き届くと噂される“偽りの楽園”。 冷たい大地の果てで、 セルゲイはまだ見ぬ“希望”に向かって、歩き出す。

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カクヨム
カクヨム2025/05/09
  • 現在の作品白色の大地(旧版)