あらすじ
そのお店のシュークリームを食べると「しあわせ」になれる。
『天使の涙』と名付けられたそれは、お店の看板商品だ。
今はもういない、彼――ハルが残してくれたもののひとつ。
*
社会人一年目の璃子の楽しみは、商店街を外れた先にあるケーキ屋さんへ行くこと。
美味しいケーキと憧れの彼とのおしゃべり。それだけで仕事の疲れは吹っ飛んでしまう。ただ話せるだけでいい。恋とも呼べない、生クリームほどの軽くて甘い気持ち。それで十分だと思っていたが、彼の弟であるハルが幽霊として現れたことで、璃子の毎日は変わっていく。
成仏の条件は「兄貴の最高傑作を食べること」
璃子はハルを成仏させるため、今まで以上にケーキ屋に通うが……。