あらすじ
閑静な高級住宅街で殺人事件が発生。
被害者は萩原武雄さん。七十二歳。五年前に妻に先立たれ、一人息子は結婚し別居中。現在一人暮らし。
深夜二時過ぎ、長男が萩原邸を訪れた際、寝室で胸から血を流し倒れている被害者を発見。
驚いた長男は大至急消防と警察へ通報。
到着した救急隊員により死亡を確認。殺人事件としての捜査に切り替えられた。
犯人はリビングのガラスを割り鍵を開け侵入。部屋の中は荒らされておらず、怨恨と物盗りの両方の線で捜査を進める。
しかし、萩原家では家の購入と亡くなった妻の病気療養のために多額の財産を投入しており貯蓄はほとんどなく、家の中に高価なものはなかった。
そのため萩原邸に防犯カメラは取り付けられておらず、犯人の姿は撮影されていなかった。
直ちに付近の防犯カメラ映像を確認すると、犯行時刻近くに周囲を歩いていた二人の人物を発見。重要参考人として任意で事情を聞くことにした。
第一発見者である長男のAを含め容疑者は三人。
深夜勤務明けで公園でビールを飲んでいた男B。
川沿いを散歩中だった男C。
所轄警察は三人に事情を聞くため、取調室での事情聴取を行っている。
重要参考人A「飲み会に参加してたら終電を逃して、朝まで休ませてもらおうと実家に寄った。合鍵は持っている。父との関係は良好である」
重要参考人B「十七時から深夜二時までの仕事の帰りです。萩原さんが亡くなったのは残念です」
重要参考人C「在宅勤務中、気分転換に散歩をしていた。荻原さん、亡くなったんですか」
表紙画像は、moiさんの作品です。