あらすじ
昭(あき)は、合コンで知り合った華を食事に誘う。居酒屋のカウンター席では、一組のカップル、健二と桜子ががお酒を飲んでいた。健二の発した言葉から四人は、意気投合しその場でお酒と会話を楽しんだ。桜が舞い散る日のこと、ベンチで眠り込んでいた昭に声をかけた華に、彼は子供の頃から同じ夢を見続けていたことを告白する。ある日、昭は親友で同僚の孝弘から、隣市にある歴史資料博物館に連れて来られる。そして、ルポライターの仕事をしている桜子も取材のために彼等より先にこの博物館に来ていた。館内を見て回る彼女がある展示品のガラスケースの前で足が止まった。そこには、『大木昭之助』という侍についての説明文が添えてあった。そして、桜子の脳内に『誰かの声』が聞こえてきた。自分の頬をつたう涙に驚いた彼女は、その場を立ち去ろうとした時だった。彼女が振り返るとそこには、昭と孝弘が立っていた。昭と桜子、二人の『脳内に響き渡る声と言葉』に彼女は、その場から走り去っていく。彼女の背を見ながらその場にいた孝弘が昭に、彼が幼い頃から見ていた『夢』が『彼の前世の記憶』ではないかと言った。そして、昭は無意識に彼女に会いたいと思っていたのではないかと……。桜の舞い散る朝、寝坊した昭は急いで部屋を飛び出した。息を切らした彼が満開の桜の木の下で立ち止まった。桜の花を見上げる昭の後ろから声が聞こえた。彼が振り返ると、そこには、桜子が立っていた。