あらすじ
「よいしょ」
そんな声とともに僕のコートの左ポケットから、すらりと長い左脚が飛び出してきた。
その足が地面に着地したかと思うと、そこから左腕、胴体、頭、右腕、の順にするすると残りの身体が滑り出てくる。
最後に右脚が現れて地面に着地すると「ふう」と玲衣はひとつ息をついた。
「どう? 便利でしょ」
「便利さよりホラー感がすごい」
「まあ見たことないものって怖いものよね。慣れればみんなに自慢したくなるわ」
「なるかなあ」
「だってレアじゃない」
僕よりも少し頭の位置が低い玲衣は衣服の皺を整える。
そして、僕と目を合わせて誇らしげに胸を張った。
「ポケットに入れられる彼女、なんて」