あらすじ
風車が回る風の王国では、風を操る歌姫ソラの歌声が日常を彩っていた。風の力は彼女の心と深く結びつき、ソラは人々の期待と、自身の心の乱れがもたらすかもしれない「影」の力に怯えていた。
そんな中、故郷を失った怒りから「風を憎む者」が現れる。彼の怨念は巨大な鬼の凧となり、王国中の風を不穏な空気に変えていく。賑やかな音は消え、王国は「沈黙の王国」と化してしまう。人々の不満の矛先はソラへと向かい、彼女は重圧に苦しみながらも、風を取り戻すため旅に出る。
旅の途中、ソラはかつて同じ力を持ちながら、その過ちで故郷を奪った元・歌姫ナナと出会う。ナナは、ソラの中に宿る風の力を恐れる心を見抜き、自身の後悔と共に、風を受け入れる勇気を託す。そして、ナナが引き起こした嵐で家族を失ったのが、他ならぬ「風を憎む者」であったことを知る。
鬼の凧と対峙したソラは、怒りや悲しみといった全ての感情を恐れず受け入れ、心を込めて歌い始める。その歌声は光となり、人々の希望の光と共鳴して巨大なハーモニーを生み出す。憎しみを否定するのではなく、悲しみを包み込むその歌声に、鬼の凧は静かに消えていった。
風が戻った王国で、ソラは風が人々の希望や感情が織りなす「心のハーモニー」なのだと知る。ナナから受け継いだ意志と、風との新しい約束を胸に、彼女は人々の心に寄り添う新しい歌姫として生きていくことを決意する。