あらすじ
これは、幼い頃に見た“夢”の中で、
私と祖母が、何もできずにただ、火に包まれる街を見ていた話――。
戦争の記憶を語る祖母の声を聞いた夜、
私はあの夢を、久しぶりに見た。
空を焦がす炎、焼け落ちる街並み、
そして――人でも獣でもない「火の獣」がすべてを呑み込んでいく。
誰も助けてくれない。
ただ祖母の腕の中で、私は泣いていた。
やがて時間が歪み、夢は形を変えていく。
焼け跡に佇む少女、歌われる祈り、
残されたノート、そして最後の夜空に浮かぶ星々――
それは、失われたものと向き合うための、
小さな「再生」の物語だった。