あらすじ
退屈な日常の中、小学生の頃に見つけた古い神社を「秘密基地」にし、「いつか神様になれたら」と空想する高校生、山口将希(やまぐち まさき)。
ある日、将希が通う学校に神崎葵(かんざき あおい)が転校してくる。人形のように美しいのだが、氷のように心を閉ざした彼女は、クラスで『神様』と揶揄されるようになる。
だが将希はまだ知らない。
彼女は、小学生の夏にこの秘密基地の唯一の訪問者である、あの少女だということを。
そして葵もまた、気づいていない。
都会での陰湿ないじめで感情を失い、逃げ帰ってきたこの島で、あの神社で出会った「思い出の少年」に再会できたということ。そして繰り返される、葵へのいじめのことを。
「神様になりたい」と願った少年は、皮肉にも「神様」と呼ばれる少女を救うことができるのか。
止まっていた二人の時間が再び動き出すとき、互いが互いにとっての世界でたった一人の「神様」になるまでの、少し切なくて、どこまでも優しい物語。