あらすじ
公爵令嬢アメリは、婚約者である公爵子息マートンを、とても愛していた。
小さいころに一目ぼれをし、それ以降、彼だけを追いかけ続けていた。
しかしマートンは、そうじゃなかった。
相手側から、無理やり用意された縁談。
好きだ好きだと、何度もアメリに追い回される。
彼女のことを、鬱陶しいとさえ思っていた。
自分が愛されていないことは知っていたが、それでもアメリは彼を求めていた。
彼と結婚したい。
彼と恋仲になりたい。
それだけをずっと考えていた。
しかしそんなある日、彼女は前世を思い出す。
それは、マートンと親しい関係にある男爵令嬢の胸倉を掴んだ瞬間に起こった出来事だった。
すべてを思い出した彼女は、ここが乙女ゲームの世界であり、自分がそのゲームの悪役令嬢。
そして今、胸倉を掴んでいる男爵令嬢こそが、乙女ゲームのヒロインであることを悟る。
攻略対象であるマートンのルートに彼女が入ってしまっている今、自分に勝ち目はない。
それどころか、下手をすれば国外追放され、自分の家に迷惑がかかってしまう。
ストーリーの結末を思い出してしまった彼女は、悲劇を起こさないように。
マートンのことを、きっぱりと諦めることにした。