あらすじ
「ほら雨上がりのアスファルトってきらきらしてて綺麗でしょ? 飴玉を砕いて散りばめたみたいに。なんかうれしくなっちゃうよね」
天奈はアスファルトの上で楽しそうにぴょんと跳ねたり、くるりと身体をターンさせたりしている。まるで小さな舞踏会のようだ。
「滑って転ぶなよ」
「大丈夫だよ。上利くんだって知ってるでしょ」
もう一度、天奈は小さくジャンプした。スカートの端が遅れて跳ねる。
彼女の着地点には大きな水たまりがあった。
「私は絶対滑らないって」
勢いよく着地した天奈はこちらを振り返って笑った。
しかし足元の水たまりには波紋ひとつ生まれない。
彼女の足は地面から少しだけ浮いていた。