あらすじ

犯罪者更生プログラムが物議をかもしている少し未来の日本。高校三年生の紘川純と間宮裕貴は、そんなこととは無縁の熱くてビターな高校生活を送っていた。意味もなく夢中になれるもの。二人には、そういうものがあった。  一方の舞台は、山陰地方の静かな街。映画研究会に所属する紘川純は、今年のアマチュア映画コンクールに応募する作品を彼以外の唯一の部員である一年生の武田茉優とともに制作していた。日本中が憂鬱になる五月の連休明けの月曜日の朝、純は、なぜか通学途中に謎の少女から告白される。何と、その少女は、今を時めく人気若手女優の国見あり紗だった。どうして国見あり紗が僕に? 不思議に思う純に彼女はこう告げたのだ。「ずっと君を捜してた」  あり紗は、映画研究会に入部し、純たちが製作していた映画にも出演すると言い出した。あり紗に主演を譲った茉優だったが、彼女の心のうちには複雑な思いが芽生えていた。女優になりたいという子どもの頃からの夢、そして純への思い。あり紗が現れたことで、純と茉優の関係は大きく変わっていく。  もう一方の舞台は、ざわめきと喧騒の街、東京。サッカー部に所属している間宮裕貴は、中学時代からの親友である室井葉介やマネージャーの雛川麻衣と消費するだけの青春を送っていた。裕貴は、高校最後の大会で、レギュラー入りし、密かに思いを寄せている麻衣に告白すると決心する。  しかし、ある日、裕貴は雛川が中学時代の同級生からストーカー被害に遭っていることを知らされる。雛川を守ると決意した裕貴だったが、レギュラー発表の日を境に三人の関係はすれ違っていく。裕貴は、友情と恋心の狭間で自分を追い詰めていく。そんな中、雛川に忍び寄るストーカーの影は、徐々に色を濃くしていき、裕貴たち三人を飲み込もうとするのだった。  山陰地方と東京の高校を舞台に描かれる切ない青春ストーリー。そこには青春の全てが詰まっている。放課後、片思い、告白、失恋、部活、友情、将来の夢、二度と戻らない時間……。誰もが通り過ぎるほろ苦い季節の中で、誰もが予想しなかった運命が純と裕貴に降りかかる。謎の少年カムパネルラは、どうして純の前にだけ現れたのか。あなたは、大切な人のために何ができますか?  この物語に触れた全ての人々が、本当の幸いを見つけられますように。

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エブリスタ
エブリスタ2020/06/17
  • 現在の作品さよならカムパネルラ