あらすじ
両腕を大きく回し、足首も回す。体育館に響く靴底のキュッキュッという音。俺の戦友達、6人が鳴らしている音だ。
俺は、目の前のネットを見上げた。高さ2メートル43センチ。男子バレーボールの公式ネットの高さだ。自分の身長176センチからすれば、まるで壁のように高い。
だが、俺はあのネットより高く上がりボールを叩き落とす手を知っている。だから恐れはない。俺はネット向こうに聳え立つ黒いユニホーム。ヤツ、山への挑戦への昂揚感に満ちていた。
満員スタンドの体育館に鳴り響くホイッスル。
今、全日本高等バレーボール選手権大会、準決勝がスタートした。