あらすじ
芝県茂田市。この街は数十年前から他では考えられない取り組みを行っている。
男女七歳にして、席を同じゅうせず。この街は七歳どころか、生まれてすぐにこれを実行している。真ん中を走る巨大な壁が市を二分し、男性、女性が別々に住んでいる。市と市外の境にも、もれなく高い壁が巡らされていて、行き来することはできない。
男性居住区では、女性に関する情報は徹底的に遮断され、写真一枚手に入らない。テレビ映像の女性は黒くマスキングされ、パソコンやスマホの画像も強制的にインストールされたアプリによってブロックされる。既婚者だけが月に一週間、男性居住区と女性居住区の間にある緩衝帯で甘い時間を過ごすことを許されている。
僕らは市内の尾戸高校に通う二年D組の生徒。もちろん女性は見たことがない。子供の頃はそれで良かったが、今や高校生である。頭の中は良からぬことで常にいっぱいである。
そんな僕らに訪れた絶好のチャンス、それが市外に出かけられる修学旅行である。僕らは一日千秋の思いでこの旅行を待ちわびていた。D組組長の慎伍を中心に作戦を練る僕たちの前に立ちはだかるのが、担任の飯塚先生を中心とした教師陣である。
表都まではバスで移動する。しかし全ての窓には目隠しシートが貼られていて、外の景色は見えない。とは言え、生まれて初めての市外である。否が応でも期待は高まる。教師陣との戦いが始まった。