あらすじ
ついにこのときがやってきたのだ。
この部屋に、天使を召喚する瞬間が。
僕は魔法陣の外周を均等に分割する六ヶ所に供物を置いた。もうひとつ内側の円周上にある四本の蝋燭に火を灯す。
最後に、中央に白い羽根を置く。
僕の指先から離れた羽根が床に書かれた陣に触れた瞬間、陣の中心にぼうっと緑がかった光が生まれた。
「……え、佐門くん?」
天使が僕の名前を呼んだ。なんで僕の名前を、と目を凝らす。
「天真さん……?」
天真灯里。僕のクラスメイトで、うちの学校でも有名な美少女だ。
そこでようやく自分の失敗を認識する。
僕が召喚したのは天使ではなく、天使のようだともてはやされるクラスメイトだった。